インタビュー

小林秀子 篇

2013年9月21日に開催されました、ヴィオラ・クヮルテットのヴィオラ奏者、小林秀子さんへのインタビューです。
過密な来日スケジュールのなか、かめおか桂ホールにも足を延ばしていただき、さらにリハーサル後と コンサート本番前のわずかな時間を割いていくつかの質問に快くお答えいただきました。

小林秀子さんのプロフィールはコチラ 

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まず、欧州とベネズエラの曲についての違い、ヨーロッパの古典的巨匠の作品と、時代性による違いはもちろんですが、国民性といいますか、伝統の違いについてどのようにお感じになっていますか。

小林

それはもう、全然違います。基本は、"ダンス!"です。
ベネズエラ人は、陽気でおしゃべり好きで親切で、何度かベネズエラを訪れたことがあるのですが、空港に降り立った途端もう日本とは空気が違うのがわかります。

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ドイツ人の作曲家ゲルハルト・ステーブラーがヴィオラとオーケストラの為の曲"Notebook"を小林さんのために作曲されたことについて。その経緯などお聞かせください。

小林

彼が、わたしの演奏とCDを聴いてくださって。

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教え子であるクヮルテットの若手演奏家について。それぞれソロ活動もなさっている彼らをお選びになった理由、および若手をお選びになった理由は何でしょうか。

小林

ヴィオラはレパートリーが少ないのです。そんな中でも(クヮルテットの)音色・ハーモニーを感じてほしかったからです。
彼らは3人とも仲が良かったというのもあります。フェルナンドは正確でみんなを包むような演奏をします。
クワンヨンは、お聴きになってお分かりいただけたと思いますが、躍動感のある演奏をします。
フェルナンドの方が年下ですが、長男の様で、クワンヨンは甘えん坊の次男の様です。
友里亜は、その間に入ってお世話をしているといった感じです。

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サイトウ・キネン・フェステバルでは今年はジャズが演奏されたそうですが、そのことについて。また、小澤さんとのつながりなどについてお聞かせください。

小林

とても盛り上がって、小澤さんもお元気で楽しかったです。
(ジャズは)以前にも弾いたことがあるのですが、(クラッシックの通常の楽譜ではなくギターのような)キーで書かれた楽譜なので毎回違う演奏になるんです。その即興性が楽しかったです。

小澤さんと初めて出会ったのは桐朋の生徒だったころ。
その後、カーネギー・ホールでブラームスをやったのですが、彼が舞台のそでから入ってきた瞬間から、当時本調子ではなかったにも拘わらず、オーラがすごくて、目から発せられる力もすごいんです。

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桂ホールで演奏した感想についてお聞かせください。音響とか、雰囲気とか。

小林

(響きに)まとまりがあって、弾きやすかったです。

(以上、敬称略)

編集後記

私のつたない質問の仕方にもかかわらず、身振り手振りを交えて情感豊かにお話しをしてくださいました。
クヮルテットを率いる、やさしく包んでくれるお母さんといった表現がピッタリのように感じられました。
今回、ご主人であるヤツェック・クリムキェーヴィッチ氏もゲストとしてご来演いただいたのですが、彼はもちろん、厳しくも頼れるお父さんといったところでしょうか。
ベネズエラ人、韓国人、ポーランド系ドイツ人、日本人と多国籍でいて、家族のような一体感をまとった、 気さくでフレンドリーで楽しい方々でした。

帰りのタクシーの中から、見えなくなるまで手を振ってくださっていました。

(文責:岡本)

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